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UGCサービスの設計 ~ 鶏が先か卵が先か~

こんにちは、maricuruのワダ(@takahi5)です。

僕はエンジニアの中でも、どちらかというとスペシャリストというよりはサービス寄りなタイプで、サービスの仕様とか考えるのも好きだったりします。

前職のDeNA時代には、特にコミュニティ系のサービス設計について多く学び、今もその経験を思い出しながらmaricuruを作っています。

そこで今回はサービス設計、とくにUGCサービスの初期の設計について考えてみたいと思います。
(あまりtechじゃないです...!)

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はじめに直面する鶏卵問題

UGCのサービスといえば世の中には色々あります、YouTube、Instagram、最近だとTikTokなどなど、、、
列挙しだしたらキリがないですね。

そんな有名サービスを見て、自分でも作りたい!と思ったことは誰でもあるのではないでしょうか。


そんなときに

ユーザーを増やすにはコンテンツが必要だけど、コンテンツを増やすにはユーザーが必要....

という悩みにぶつかりがちです。

いわゆる、鶏が先か卵が先か問題です。


ここでよく

  • まずはキャンペーンでギフト券とか配ってコンテンツを増やそう!

  • いきなり有名クリエイターに投稿してもらってメジャー感を出そう!

とかを考えがちですが、これらはアンチパターンです。


この鶏卵問題は言い換えれば
投稿ユーザーが先か、閲覧ユーザーが先か?という問題になりますが、
答えは投稿ユーザーが先だと言われています。

maricuruでの実際の経験も踏まえながら、お話したいと思います!

まずは投稿型ユーザーにフォーカスする

YouTube、食べログ、クックパッド、今どき知らない人はいない程の有名サービスですが、
これらのサービスもローンチ当初は投稿ユーザーにフォーカスして成長してきたようです。

では、どのようにして投稿ユーザーを惹き付けてきたのでしょうか?

既存サービスの”かゆいところ”を解決する

YouTubeが世に出てきた当時、動画をネット上で共有する手段はあったものの、非常に手間がかかる作業でした。
そんな当時、YouTubeは圧倒的に簡単に動画を共有でき、それがもともと動画をホームページに掲載していた人たちに支持されたようです。

食べログやクックパッドも今となっては、レストランやレシピを探す”メディア”としての側面が強いですが、
創業当初は、グルメブログや料理ブログを書いてたユーザーが、ブログよりも書きやすいという理由から使い始めたのが原動力になっているようです。


これらの例に共通するのは、 なんらかの既存手段のかゆいところを解決しているという点です。


「いまはXXを使ってるんだけど、なんかココが使いにくい」
のような声が聞こえてきたらチャンスです。

その”かゆいところ”を解決することで、すでに発信欲の高いユーザーを惹き付けることができるかもしれません。

どんな業界にも、自分の情報をただただ発信したい!という発信欲の高いユーザーがいます。

そういったユーザーに”圧倒的な使いやすさ”を提供することで、初期の原動力を掴むことができます。
例えそのサービス内に見てくれる人が少なかろうが、この手のユーザーは気にせず発信してくれます。

一人でも楽しめる"ツール”として始める

先ほどの話は、すでに発信欲の高いユーザーを引っ張ってくる、という話でしたが、次は別のアプローチを考えてみます。

例としてinstagramを考えてみます。

今となっては超メジャーアプリのinstagram。
日々の写真を投稿するだけでなく、情報収集にも使われています。
今どきの女子はGoogle検索よりもinstagramでタグ検索するなんて言いますよね。


そんなinstagramもサービス開始当初を思い出してみると、
オシャレなフィルタ加工ができる”写真加工ツール”という印象でした。

あくまで"ツール”なので、instagram内にユーザーが多かろうが少なろうが、一人で楽しむことができます。

それが徐々に使う人が増えてくることで、コミュニティアプリとなり、今ではある意味メディアにもなってきました。

このように初期は一人でも楽しめるツールとしてスタートするのも、投稿ユーザーを集めるための有効な手段でしょう。

maricuruの場合は?

maricuruの立ち上げ当初、これらの先人の知恵はかなり意識しました。

maricuruのコンセプトは
「結婚式を終えた先輩花嫁(卒花)の経験を、これから結婚式を挙げる花嫁(プレ花)に伝える」
というものです。

具体的には、卒花が結婚式のレポート写真を投稿して、プレ花がそれを閲覧する、という形です。

そこでmaricuruでは、まず”卒花”にフォーカスしてサービスを設計することにしました。

卒花のかゆいところは?

ここ数年で花嫁さんのinstagram利用は爆発的に増えていて、
多くの花嫁さんがinstagramに結婚式専用アカウントを作り、結婚式準備や挙式当日のレポートを投稿していました。

そこでそのinstagramに何かかゆいところはないか?を探すために数十人の卒花さんにインタビューをしました。

そんな中である卒花さんの発言にヒントがありました


instagramは、、、

  • 投稿順に並ぶけど、ほんとは挙式→フラワーシャワー→披露宴、、、と時系列に並べたい
  • キャンペーン応募用の投稿など結婚式とは関係ない写真も混ざる
  • できれば挙式、披露宴、ハネムーンなどカテゴリごとに整理したい

という”instagramのかゆい所”っぽいものが見えてきました。


そこでmaricuruは

instagramの結婚式写真をインポートして整理できるアプリ

としてスタートしました。

結婚式のキラキラした思い出を整理できるアプリです。

なので”一人で楽しめるツール”という条件も満たしています。

このアプローチが功を奏し、結果的にリリース後3ヶ月で30000件を超える写真・動画が投稿されました。

アンチパターンについて

最後に、冒頭に書いたアンチパターンについて、思うところを書きたいと思います。
ちなみにこれらは過去に僕が踏んできたパターンでもあります(笑)

・ まずはキャンペーンでギフト券とか配ってコンテンツを増やそう!

ギフト券につられてきたユーザーは、ギフト券がなくなったら容易に去っていきます。
サービス開始当初から安易にそういったキャンペーンに頼るのは危険です。

僕のイメージでは、キャンペーンはRedBullみたいなものだと思っています。

たしかに翼は授けられるでしょう。
けど開始直後のサービスは、赤ちゃんのようなものです。 赤ちゃんにRedBullはやりすぎです。まずは母乳とかでちゃんと免疫をつけてあげましょう。

もちろん青年並みに成長したサービスで、キャンペーンを適切に使うのは賛成ですが。

サービス初期は、先にも書いたように”発信したくてたまらないユーザー"を原動力とするべきです。

・ いきなり有名クリエイターに投稿してもらってメジャー感を出そう!

カラオケに行って、初っ端に桑田佳祐が登場して歌うとします。
聴く人はもちろん満足するでしょう。
けど、その後に曲を入れるのは...入れにくくなるのではないでしょうか。

UGCでいきなり有名クリエイターを登用するのは、これに近いイメージだと思います。
投稿ユーザーにとってはハードルが上がりすぎて投稿しづらくなってしまいます。

初期はコンテンツのクオリティはそれほど重要ではありません。
むしろショボいくらいが良いとも聞きます。

まとめ

以上になります!

まとめると、
発信欲の高いユーザーを見つけて、その人たちをハッピーにしましょう!
ということですね。(雑なまとめw)

なんらかの参考になれば幸いです♪